かいちょーは、生まれも育ちも東京の葛飾区と言う下町で成長して大人になりました。
葛飾区は23区でも東の端っこで、かいちょーが育った昭和50年代なんかは下町情緒が色濃く残る人情味たっぷりの街でした。
そしてその下町情緒の代表でもある「べらんめぇ口調」なんてのも聞いた事あるかと思いますが、まぁ周りの大人たちの言葉づかいの悪さったらそれはそれは酷いものでした。
そしてもちろん僕の父親も、特に怒った時の口の悪さったら、子供ながらに本当に殺されちゃうんじゃないかってくらい汚い言葉が連発したものでした。
でもまぁ幼少期からそんな環境で育った僕らとしてはとくにそれは特別な事でもなく、大人の男ってのはみんなこういう口調なんだと自然に受入れる様になります。
つまり、父親であるかいちょーの言葉づかいも、実はとても酷いと、妻によく指摘されるのですが…
「バッキャロー!男が本気で子供をしかるのに言葉づかいもへったくれもあるかってんだ!ニャローメー!」
頭に血が上っちゃうとこんな感じで妻の注意もきかずに僕流の「言葉」が父親の威厳の一つと思っておりました。
ところが先日、それを反省する出来事がありました。
自分にそっくりな言葉づかいのとーちゃんと遭遇したのがきっかけだった
いつも行く公園に娘と遊びに行った時の事です。その日は何十年に一度の大寒波が来た超寒い日曜日でした!
到着すると、先に5歳と3歳くらいの姉弟だけが遊んでいてそのとーちゃんらしき男性がベンチでスマホをずーっといじりながら座ってました。
公園にいるのはこの親子だけでした。
僕たち親子が到着するや否や、滑り台を頭から滑り降りた弟くんが見事に顔面から着地して口の中が砂だらけになって大泣きしました。
僕が近づいて「ほれ!水道でうがいしてきな!」って声をかけたんだけど、その子のお姉ちゃんが肩を抱きながら「パパァ〜大変!」と弟くんを連れてそのとーちゃんの方へ連れて行きます。
ちなみにそのとーちゃんのルックスは、ベースボールキャップに迷彩柄のダウンジャケット、ダボダボのパンツで見るからにちょっと悪そうな B-BOY風の出で立ちです。
そして顔面&口の中砂だらけの弟くんを見て「てぇめぇ〜男のくせに転んだくらいで泣いてんじゃねーよ!」とまぁなんて汚い言葉づかいなんでしょう!
もうルックスと言葉づかいがマッチし過ぎて気持ちいいくらいです。泣き止まない弟くんを見ても動揺もせず「こっちこい!」と手を引っぱって水道に連れて行きます。
そしてうがいと顔を洗わせながらさらに怒ります
「お前が頭から滑ったからこうなったんだろ?あぁん??」「てめぇ〜で転んどいて泣いてんじゃねーよ!」「まだ泣くんだったら帰るぞコラ!」
そんなガシガシと冷水で顔を洗われてる弟に「大丈夫?」と優しく声をかけるお姉ちゃん。
こんな様子と、とーちゃんの汚い言葉づかいに、こっちもだんだん気分が悪くなってきました、当然ですよね。
ところが、そこで僕は気づいたんです。。。
あれ?これってオレが自分のこども達に使う言葉づかいと同じじゃん!?
そうなんです。聞いていて気分が悪くなってきてはいるものの、実はこどもに言い聞かせてる内容も言葉づかいも僕と変わらない事に気づいたんです。
だから「男のくせに泣くんじゃねー」とかってのは実は「うん、うん」その通りだなんて思ってたりしたんです。
でも、このとーちゃんのおかげで自分の言葉づかいは全然フツーだと思ってなんの違和感も感じてなかったのに、全く同じ言葉づかいの父親をみて初めて気づいたんです。
こりゃーよくねぇぞ!周りで聞いてる人達が嫌な気分になるんじゃん!
昔の人は言いました「人の振り見て我が振り直せ」。
まさにその通りだと思いました。ある意味このとーちゃんには感謝です。
そういえば、僕の娘が最近こう言います「なんだよふざけんなよぉ」
…これまさに僕の口癖でした。。。
さて、今回のブログはもちろん、僕の言葉づかいの悪さに気づいたという反省の話ではありますが、このとーちゃんを誹謗する話ではありません。
じゃー何が話したいかと言うと、
「人を見た目や言葉づかいで判断してる自分は、若かった頃一番嫌いな大人たちと同じ判断しちゃってるじゃねーかよ!」
っていう話なんです。
どうしてかっていうと、その親子のやり取りがあった後、元気に復活したその弟くんもお姉ちゃんも、そしてウチの娘も元気に公園で遊びを再開しました。
そしたらそのとーちゃんはベンチに戻ったんだけど、今度はずーっとこども達を見守ってるんです。何も口を出さずに。
で、また滑り台で遊び始めると、すーっと滑り台の近くによって来て、でも何も言わずに遊んでるこども達を見守ってるんです。
で、で、また頭から滑ろうとする弟くんを見るとそれを止めるんじゃなくてこう言ったんです。
「今度は顔から落ちない様に考えて滑れよ!」
そう言って見守ってるんです。
するととーちゃんに見守られてるその子は安心して再度挑戦するんですよ、頭から。
そして今度は完璧にメイクするんですよ。すると最高の笑顔でとーちゃんに駆け寄ってって、するととーちゃんも「やるじゃねーか!」って頭をくしゃくしゃにしながら思いっきり褒めてあげてるんです。
で、僕は思ったんです。
確かにね、見た目は悪そうな風貌だし、期待を外さない汚い言葉づかい&雑なこども達の扱い。こういうところばかりに目がいってそして「なんか感じ悪そうな父親だなぁ」「関わりたくないなぁ…」って先入観だけでそんな判断をしちゃってたんです僕。
ところがね、このとーちゃんは、この大寒波でクッソ寒い中、だーれも遊びに来てない公園に二人の子供を連れて来て、ちゃんと遊びに付き合ってるじゃないですか?
失敗した事を「危ないから止めろ」じゃなくて「次は上手くやれよ!」ってチャンスを与えて見守ってるじゃないですか?
よく考えて、そして思い返してみて。
・天気の良い休みの日にどこにも連れて行かずに家に閉じこもってテレビ見せてるだけ、ゲームやらせてるだけってとーちゃんいっぱいいません?
・ちょっと転んだり、失敗すると「危ないから止めなさい!」って言うだけでただただ危険回避しかできないとーちゃんっていっぱいいません?
・そんで転ぶと慌てて駆け寄ってすぐ手を貸してしまう、甘ったるいとーちゃんっていっぱいいません?
・身なりがキレイで丁寧な言葉づかいだけど、子育てなんかこれっぽっちもできてないとーちゃんなんていっぱいいません???
寒空の中、二人の子どもを連れて何時間も遊びに付き合ってくれて、
『男だったらこうあるべきだ!』って信念を持って怒れるとーちゃんて素敵だと思いませんか!?
僕はこのとーちゃんをホントに素敵な父親じゃんて思いました。
そして最初にルックスで抱いた印象でこのとーちゃんを嫌な目で見てしまった自分が恥ずかしくて悲しくなった。
さらにね、僕が滑り台の側にいた時にこの弟くんがまた登って来たから「もう転ばない様に気をつけろよ!」って声かけたら、
「うん!ありがとう!もう転ばないからボクの事見ててね!」
って、なんてフレンドリーで可愛らしい坊主じゃあーりませんか♡
そしてこの姉弟は本当に仲良しで、ずーっと一緒にキャッキャ言いながら楽しそうに遊んでるんですw
本当に性格の悪い父親だとしたら、こんなに明るくて好奇心旺盛でそして愛嬌よい子が育つわけない。そんなこども達の父親はちょっとだけ言葉づかいが悪いだけなんです。
父親としてはとても魅力的な人なんだなーって気づきました。
さて、まとめるとね。
言葉づかいが悪いと周りの人に嫌な空気を与えてしまうし、それを普通の言葉づかいと認識して使ってしまうこどもは良くない!
だから、直すべきところは直していこうと思います。
そして…
人を見た目と言葉づかいだけで判断する、ダッサイ大人にならないように気をつけたい。
こんな大人に絶対ならねーぞって中学生の頃「BOOWY」のレコードを聴きながら誓ったはず!
人として、人をそういう基準で判断する「ゲスの極み親父。」には絶対ならないように気をつける!
とーちゃんと一緒に遊ぶのが一番おもしれーって言ってもらえるとーちゃんになる!
あらためて自身の言葉づかいの反省と、理想的なとーちゃん(大人)になるための気付きの1日でした。