昨日のNHKニュースで「保育士不足」について取り上げられていました。
みなさんご存知の通り、「保育士不足」は大きな社会問題になっており、2015年10月の全国の保育士有効求人倍率の平均は、1.93倍、全国で待機児童数が最も多く保育園が急増中の東京都では5.39倍と、1人の保育士に5カ所以上の保育施設がラブコールを送っている状態です。
保育園を新設しても保育士が採用できなくて開園が遅れたり、子供の預け入れ定員を減らさざるを得なかったり、保育士不足が待機児童対策の大きな壁になっています。
そこで市区町村によっては、保育士が産休・育休後にスムーズに職場復帰できるよう、優先的に保育士の子供を預かったり、または無料で受け入れたり、就業準備金として30万円給付したりと自治体単位で受け入れの対策を進めています。
2013年のデータですが、保育所で働く保育士は41万人に対して、保育士資格を持っているのに保育所などの現場で働いていない「潜在保育士」はなんと70万人いると見込まれています……!
その一番の原因はよく言われていますが、仕事の負担や責任は重いのに賃金は安いということ。
ただ、これは国が何とかしてくれないと改善されません。
では子供を保育園に預けている、これから預ける私たち親が「保育士不足」という現状に少しでもできることは何か、考えてみました。
こちらのグラフの上から9番目に「保護者との関係が難しい」がランクインしています。
様々な親がいる中、大事な子供を預かっている保育士さんにとってはデリケートな問題です。
うちも夕方子供を保育所に迎えに行くと、先生が申し訳無さそうな顔をして、「今日お友達と一緒に遊んでいた時に、◯◯くん(うちの息子)が一緒に遊んでいるおもちゃに手を出そうとしたらそれがお友達が嫌だったみたいで、◯◯くんの腕を引っ掻いてしまいました。目が行き届かずに本当に申し訳有りません」と報告してくる時があります。
子供はけんかして当たり前、怪我をして当たり前だと私は思っているので、「先生、大丈夫ですよ!気にしないでください。報告ありがとうございます。」といつも伝えています。
ただ、親によっては自分の子供に怪我をさせられて良く思わない人も居るでしょうし、怪我をさせた相手は誰なのか先生に問いつめる親御さんもいるかもしれません。
それがエスカレートするといわゆる「モンスターペアレント」です。
そういった親の対応も先生の仕事のうちに含まれてしまうのです。それはそれは責任の重い、胃の痛くなる仕事ですよね。
あとは、自分の仕事が評価されにくいという面もあるようです。
それは給与だったり昇進だったりもありますが、例えば私のやっている仕事だったら、納品時にお客様に「こんな良いものを作ってもらって嬉しいです!ありがとうございます!」と言って頂けたりします。
お客さんに喜んでもらえるものを作って、感謝の言葉を言ってもらえる….このとき程やり甲斐を感じることはありません。
保育士さんもそれと同じで、そういった言葉を親に掛けてもらえるのはすごく嬉しいことではないかと思います。
運動会や発表会など子供の晴れの舞台は、それまで発表する内容を考えたり、ダンスを考えたり、衣装を用意したりという先生の必死努力があってからこそ実現できるもの。
こういった行事が終わった後は私は必ず先生に「すごく楽しませてもらいました!」と言ってどこが良かったか感想を伝えて、お礼を言います。普段の連絡ノートでもいつも子供に対して良く見てもらって細かなアドバイスを頂いていることにも、感謝の気持ちを伝えています。
こういった反応は絶対に先生は嬉しいと思うのです。
先生の一生懸命な気持ちに答えるためにも、卒業アルバム制作だったり、保育所から依頼された運動会の保護者応援などでは、こちらも真剣に何が一番喜ばれるか色々考えて、力を入れます。
それが普段子供の面倒をみてもらっている、先生への恩返しだとも思うからです。
あと最後にもう一つ。
できるだけ有給や自分の仕事が休みの時は、保育所に子供を預けずに自宅で面倒みることも保育士さんにとっては有り難いことだと思うのです。
あくまでも保育所は仕事をしている間、子供を見てくれる人がいない親のためにあるもの。
保育所によっては、「お休みの日は自宅で面倒見てくださいね」と言うところもあります。それに対して文句を言わずに快く受け入れられるといいですよね。
子供の数によって保育士の常駐人数も決まっているので、一人でも減る事で保育士さんの負担も多少なりとも減るはず。
うちの子供達が通っている保育園は本当に素晴らしい先生ばかりで、子供の事をよーく見ていてくれてるし、こちらが育児の相談をすれば的確なアドバイスをいつもくれます。
お迎えの時にバッタリ会えば、今日うちの子がどんな風に過ごしていたか詳しく教えてくれます。
そういった先生達にこれからもずーっと素晴らしい保育士さんとして続けて行ってもらうためにも、私たち親ができることは色々あります。
未来の資産である子供達の命を預かり、一人一人の可能性を伸ばし育む大切な仕事をしてもらっている保育士さんは、社会にとっても絶対に必要な存在です。
国が給与を上げればいいとただ思うだけでなく、一人の親として少しでもできることを始められるといいですね!